2014年 06月 20日
2014年6月定例会での一般質問(1) |
1、新文化会館について
[田中]総括質問および一般質問に対する答弁を通して、現行デザインでの建築を目指す市長の意気込みが伝わってきた。しかし、タブーを設けず、3度目の入札が不成立に終わるケースも想定しておくのが行政としての責任だと考える。
「現行の設計を諦め、極力シンプルな設計で出直したほうが早く完成するのでは」という市民の声がある。その場合の設計期間・工期・事業費などはどうなる見通しか。
[建設部長]設計プロポーザルから始めることになり、設計者選定には少なくとも6ヶ月かかる。基本設計と実施設計に12ヶ月。工事に約3年。合計すると4年半〜5年を要する。
なお事業費については、再度の設計業務費が積み増しとなる他、2年先の社会情勢、労務単価、資材単価などの変動を予測することは困難であり、工事費を現段階で想定することはできない。
※参考 現在の設計については、基本設計および実施設計を2012/8/6〜2013/9/30の約14ヶ月、1億2400万円(税込)で業務委託していました。
[田中]管理運営実施計画の策定体制とスケジュールは。ワークショップや委員の公募を通して市民の関心を高め、開かれた計画策定を目指す考えは。
[教育部長]7月にもアドバイザー会議を発足する。「管理運営計画」策定にも関わった専門家の他、市民から芸術文化関係の有識者数名で構成する予定。委員を公募する予定はない。
市民ワークショップは行なう予定。パブリックコメントを経て、今年度中に策定する。
[田中]新文化会館は単なる文化施設ではなく、市内外から幅広い人々が集う交流拠点にならなければならない。そのために、管理運営実施計画には芸術文化関係だけでなく、まちづくりの視点からの市民意見も反映されるべきである。アドバイザー会議に、まちづくりに精通した市民も含めるよう求める。
現在、新文化会館の改築工事の3度目の入札が公告されており、25日に成立するかどうか注目が集まっています。
市当局の答弁によれば「千席規模のホールを建設しようとすれば最低4年半はかかるため、現行の設計で進めるのが最短」と。実際の工事だけでなく、公告から議会承認を経て発注契約に至るプロセスにも時間がかかる、との説明でした。
事業費について、少なからぬ市民から挙がっている「シンプルな設計に変更すれば、最初の想定である45億円で建つのではないか」という疑問の声に対して、市当局はもっと具体的な踏み込んだ答弁で答える義務があったと考えます。
さて、「管理運営実施計画」は、今年3月に策定された管理運営計画に基づいて、より詳細な内容を定めるもの。
現在はハード面ばかりに注目が集まっていますが、「新文化会館をどんな施設にしたいのか」「鶴岡市の未来にとってどんな意味があるのか」を決めるのはソフトであり、管理運営実施計画は非常に大きな意味を持っています。
昨年行なわれた管理運営についての市民ワークショップでは、まちづくりや人材育成など、新文化会館の意義について多彩で興味深い意見が出ていました。下記リンクの「かわら版」にまとめられています。
新文化会館に限らず、あらゆる文化施設は、人と人をつなぐ交流拠点であり、まちのイメージを高め、まちに賑わいをもたらす存在でなければなりません。たとえば鶴岡アートフォーラムは、7月から「交流広場」の夜間貸出を開始します。これまでは宝の持ち腐れの感もありましたが、今後は市民の自由な発想による活用が期待されます。優れたハードが価値を発揮できるかどうかは、管理運営にかかっています。
皮肉なことに、工事発注の難航によって、かつてないほど新文化会館への市民の関心が高まっています。「ピンチはチャンス」という言葉がありますが、現在の危機を乗り越えれば、真に《市民の市民による市民のための文化会館》を創りあげていく好機になるのではないでしょうか。25日の入札が成立したとしても、ハードの完成は2017年3月頃になる見通しです。開館までの3年近い時間が「文化的後退」にならないよう、運営方針や管理計画などのソフト面をしっかりと整備していかなければなりません。子ども達のためにも、未来志向で!
★6月定例会の録画データは、下記のリンクからご覧いただけます。→ 鶴岡市議会録画データ
by tanaka-tsuruoka
| 2014-06-20 23:04
| 議会活動